栃窪へ下っていく手前から見える富士山。雲の演出で今日は幽玄に見える
秦野駅~震生湖~頭高山~渋沢駅のGPS軌跡
ここ数年、毎年のように歩いている渋沢丘陵だが今年も歩くことにした。何よりも近場であること、そして標高200~300mの丘陵地帯で雪や凍結がほとんどないこと、などが主な理由だが、帰りに手打ちそば屋に寄れることも理由の一つだ。秦野駅南口に出て南に延びる広い道路を直進すると突き当りとなる。このあたりのクロガネモチに似た街路樹は名前は分からなかったが赤い実をいっぱい付けていた。
今泉名水桜公園から、中央に富士山が見える
突き当りを右折して直ぐに左折すると太岳院(たいがくいん)という寺がある。ここの境内からは目の前に今泉名水桜公園の池がある。しかし、ここからは今泉名水桜公園に入ることができない。道路をもうすこし先に進むと左手に今泉名水桜公園の入り口がある。この公園の基本構想は、建築家の安藤忠雄氏によるものだそうです。(ちなみに太岳院の本堂も安藤忠雄氏の設計によります。)今泉名水桜公園を奥に進むと突き当りの池の桟橋からは池の全景と富士山を見ることができる。
黒っぽい水鳥が遊んでいるように、しきりに水面を羽ばたいていた
池の桟橋の下には鯉たちが餌をねだるように集まってきていた。前方のマンションの屋上にはシラサギのような鳥が一本足でつくねんとたたずんでいる。池では多くの水鳥がスイスイと泳ぎ、時折水面上を飛び走るようにして遊んでいた。ヒスイ色のカワセミも池の周囲を2羽飛んでいるのを見かけた。
今泉名水桜公園の池が今泉湧水池で、昭和60年に選定された全国名水百選「秦野盆地湧水群」の中でも最大級の日量約2,500トンの湧水量があります。この湧水は古くから太岳院池とよばれ地域の人々に親しまれてきました。この池は古代からの水汲み場所だったようで、池の底からは石器時代、奈良時代、平安時代の土器破片等が大量に出土しています。現在の池は昭和初期に作られたもので、それ以前は荒地に囲まれた湧水でした。秦野盆地扇状地端部には地下水が湧出しており、この今泉湧水池もその一つです。そのほかに、湧き水の名所としては護摩屋敷の水(ヤビツ峠より徒歩約30分)、竜神の泉(大倉より徒歩約30分)、弘法の清水(小田急線秦野駅近く)などがあります。
木にツタが絡んで巨大な樹木になっている
今泉名水桜公園を過ぎて直進し、クランク状のところは「震生湖」の標識に従い進むと広い車道に出る。ここを左折すると小学校と白笹稲荷の前を通っていくようになる。更に直進すると「白笹稲荷入口」の信号が出てくる。ここを渡り直進すると「震生湖」の標識がある。車道は次第に細くなり蛇行して緩やかに登っていく。秦野市街地や丹沢表尾根の山々が見えてくるようになる。そして前方に見える黒々とした奇怪な木はツタに覆われているため巨木に見える。周辺の木もツタに覆われている木が多い。ツタは木だけではなく地面にも繁茂している。
渋沢丘陵の道路上から見た富士山
緩やかな坂道を登り切ると渋沢丘陵の稜線(車道)にでる。ここからは富士山が見えるが例年に比べて雪の量はかなり少ない。富士山の左手、金時山や大涌谷の煙の立つ神山など箱根連山はかすんで見えていた。
渋沢丘陵の大根畑と丹沢表尾根。三ノ塔(左端)、と大山(右端)
渋沢丘陵の大根畑と丹沢表尾根。塔ノ岳(中央)、三ノ塔(右)
稜線の車道を少し進むと左手に震生湖に下る坂道がでてくる。以前ここにはゴルフ練習場があったのだが今は太陽光発電パネルが一面に敷き詰められていた。
震生湖の南側の湖畔を歩く
震生湖は日本で一番新しい自然湖です。1923年(大正12年)の関東大震災の時、丘陵の一部が崩壊してその土砂が沢を堰き止めて震生湖が出来ました。流入、流出の川はなく地下水脈で水位が保たれています。湖の幅は最大85m、長さは315mで、標高150mの所にあります。ヘラブナ釣りでは結構人気があるらしく湖畔やボートにのって釣っているのを見かけます。
パンパースグラス(西洋ススキ)も咲いている
頭高山へ行く途中では菜の花が咲いていた
頭高山手前の祈りの丘
戦没者慰霊碑の合掌するモニュメントがある祈りの丘から10分ほど歩く。途中2個10円と書いたミカン畑があった。しかしほとんど採られていていて小さいのしか残っていなかったので採るのを止めた。頭高山直下に八重桜の里という展望の良いところがある。ここにはトイレや東屋があるのでコーヒーとパンで休憩する。近くにある2本のロウバイの木も満開であった。
ここの標識に神山滝(こうやまたき)というのがあるが往復40分くらいで行ってこれる。しかし標高差160mほど下るので戻ってくるのが大変である。また冬以外は藪がうるさいかも知れない。8年ほど前にこの滝を見に行ったことがあった。2段に捻じれていて上は10m、下が5mほどの落差15mほどである。確か下からは全景は見えなかったように思う。地形図に載っているくらいだから、それなりの規模なのだろうがいかんせん麓の滝という印象は否めない。ホテル神山滝というラブホ裏なので女性と一緒の場合は気まずい思いをしないように注意!
頭高山直下、八重桜の里のロウバイ(蝋梅)
頭高山山頂(303m)では樹木の間から何か所か展望がひらける
八重桜の里での休憩もそこそこにして頭高山に向かう。頭高山は周囲を一周することができるので、今日は右周りに進んで途中から山頂へ登る。平日とあって山頂は誰もいなく静かだった。展望はあまり良くないがそれでも幾分伐採したようで樹間から麓の風景が見える。
頭高山由来(山頂の案内板より) 頭高山(秦野市観光協会HP)
頭高山(ずっこうやま) 頭高山とは、どんな山なのでしょうか。
その名の通りどこから見ても丸い頭の形をしています。新編相模國風土記稿によれば、「秋葉山 村南に在 高三町半許 丸山 ぼっこう山とも呼り」と記されています。その高さは三百三・四メートル。山頂から西を望めば箱根の山々が連なり、山間には神山滝の瀑布があります。この水は川音川(四十八瀬川)にサラサラと音を立て流れています。東南には相模の海が、北側には丹沢山塊の山々が連なって見えます。
この山のふもとには、かつて東海道の脇街道だった矢倉沢往還があり、富士山や大山参詣で多くの旅人で賑わっていたとのことです。この地には、その昔、京より鎌倉に向かう姫の悲しい伝説「かりがねの松」がありました。その社の名は「雁音神社」といいます。南側には小田原道があります。道の端には弘法大師が御出になったと言い伝えられている。「弘法の硯水(すずりみず)」があり、コンコンと清水が湧き出ていたのです。頭高山は村人や多くの旅人にとって とてもよい思い出のある所です。ここになお、美しさを増し 訪れる多くの人たちの心を癒し、安らぎを与えてくれることでしょう。 平成二十年四月 秦野市観光課
帰りは途中から左へ分岐する道をたどると車道に合流した。ここからは手打ちそば処くりはら迄一本道である。途中の道路脇の無人販売所で一袋100円のミカンや、里芋、梅干しを購入する。ミカンは一袋12個くらい入っていてお買い得だ。信号のある交差点を過ぎればそば処までは間もなくだ。手打ちそば処くりはらでは平日とあって客はそれほど多くなく直ぐに座れた。せいろそばの大盛りはつるつるとのど越しが良くあっという間に平らげた。きめ細やかなもてなしもなかなかいい。
手打ちそば処くりはらでテーブルに飾られた花
秦野駅~震生湖~頭高山~渋沢駅のコース断面図
コースタイム 歩行3時間50分 距離12.2km 累積の登り543m 下り-464m
小田急線秦野駅9:17→今泉名水桜公園→10:30震生湖→栃窪→12:20八重桜の里(休憩)12:35→頭高山→13:30手打ちそば処くりはら(昼食)14:00→14:20渋沢駅
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