「普通の山に登るのに歩き方って必要なの?」
岩や雪山を登るならともかく、これから山歩きを始める方は、そんな風に疑問に思われるだろう。でも安全に楽しく山歩きするには、山での歩き方を身に付ける必要があるのです。少なくとも基本的な知識を身につけて登る事は決してマイナスにはなりません。そして、易しい山から始めて、徐々に経験を積んでいけばよいのです。
私たちは普段、街を歩く場合は歩き方を意識して歩くことはありません。しかし、山では様々なことを意識して歩くことが必要なのです。できるだけ安全で無理でないところを確認しながら歩きます。初めて山を歩く人はどうしても足元ばかりに目がいきがちです。前方のルートや全体を見ながら、自分の足元にも気配りして歩くのがよいのです。山歩きに慣れてくるに従い、体力も付き余裕が出てきます。傍らに咲く草花を愛で、木や景色を眺めるゆとりも出てきます。
登りは踵から歩き、下りは爪先から歩く
山の斜面では意識して歩幅を小さくし、登りも下りも靴底を地面にフラットに着地する。これを初心者が意識しないでやると、登りは「つま先」から着地し、下りは「かかと」から着地しがちです。これでは靴底が地面に接触する面積が少なくなりスリップしやすくなります。従って「登りではかかとから」「下りではつま先から」踏み込むようにします。これを意識して実行すると靴底全体が斜面とフラットになり滑りにくくなります。
特に急な登りの斜面では足先を開いて「逆ハの字」にすると歩きやすくなります。
下りはへっぴり腰にならず真っ直ぐに立ち「つま先」からリズミカルに下ります。
登りはかかとから | 下りはつま先から | ||
登りは踵から着くように するとフラットに着地できる |
下りは爪先から着くように するとフラットに着地できる |
山でバテないようにするには
山へ入る前は、軽いストレッチ程度を行います。ゆっくり歩きながら身体を慣らしていきます。自分に合った適切な休憩を取ります。例えば20分歩いたら2分の休み。30分歩いたら3分の休み。1時間歩いて5分の休みとか自分に合った休み方があるはずです。目安としては歩いた時間の1割程度でしょうか。座って休憩しても、立って休憩するのもよいでしょう。しかし長く休憩するのは、体も冷えるので避けたほうがよいです。
水分と行動食は歩きながらでも、休憩のときでもまめに取るようにします。また、足の負担を軽減するためにストックを利用するのも有効です。
山で転ばないようにするには
平地で転んだ場合は打ち身程度で済んでも、山の場合は転んだ場所によっては事故につながる場合があります。斜面の路肩が崩れていたり、落ち葉が穴を覆っていることもあります。このため、なるべく道の真ん中や山側を歩くようにします。また常に注意力を働かせ、滑りやすい物の上に不用意にのらないことです。
こういう所がよく滑ります
山で迷わないようにするには
好きこのんで迷う人はいません。でも山では「迷わないようにしよう」と思っていても、迷ってしまう事があるのです。なぜ迷ってしまうかには様々な原因があります。低い山でも道迷いすることがあります。だから低山だからと甘く見てはいけません。
最初の内は人気のある低山を歩くようにしましょう。そういう山は道標もしかっりしていて、山歩きしている人も多く安心できるからです。低山でも地図、磁石(コンパス)やヘッドランプ(懐中電灯)は常に持参しましょう。そうして低山歩きをしながら地図の見方と磁石の使い方を覚えます。ある程度地図や磁石が使えるようになってから、ワンランク上の山へ行くようにします。
山での道迷いの原因
もし山で迷ったら