道路側から見た木下沢梅林
高尾梅郷には1400本の梅がある木下沢梅林(こげさわ)の他に小仏川沿いに6つの小さな梅林がある。以前何度もこの地を訪れているがいつも他の山へ行く途中だったり、バスで通り過ぎていた。いつか一度はゆっくり梅林を歩いてみたいと思っていた。ただ高尾梅郷はほとんど平地なのでただ歩いただけではつまらない。そこで高尾山のケーブルを利用して幾分山歩きを味わえるようなコースにしてみました。 高尾山ケーブルカーの山頂駅「高尾山駅」前の広場からは木の間越に奥多摩の日ノ出山や大岳山が見えていた。霞台、サル園、野草園、タコ杉前を通り浄心門に到着する。
浄心門前、4号路は右端の山道から入って行く
高尾山ケーブルカーの高尾山駅から高尾山へ行くには三つのコースがある。
1号路は麓から続く表参道で、サル園・タコ杉・浄心門から行く薬王院の表参道で高尾山頂につながっています。寺院や多くの店があるメインコースです。高尾山頂まで約50分です。
3号路は浄心門の左側から入って行きます。常緑樹林に包まれた緩やかな道が続いています。ゆっくり歩きながら自然を感じられるコースです。高尾山頂まで約1時間5分です。
4号路は浄心門の右側から入って行きます。 多くの木々が生い茂っている北斜面の山腹沿いを行くコースです。高尾山頂まで約55分です。途中に高尾山で唯一の吊り橋(みやま橋)があり、日影沢やいろはの森へも行けます。今日はこの4号路から日影沢を経て高尾梅郷に行くことにしました。
高尾山4号路を若い女性たちが元気に歩く
浄心門前の右側に4号路の標識があります。道は整備されて歩きやすいです。4号路は高尾山の北側斜面の温帯林系の樹木が茂るコースでイヌブナやモミの林が続きます。他の木に先駆けて淡黄色のキブシの花が咲き始めていました。キブシ(木五倍子)はこれが花かと思うようなブドウの房がぶら下がったような地味な花です。昔の人はキブシの実をお歯黒の代用としたそうです。私はこれを見ると春が来たなと感じます。
高尾山4号路の吊橋・みやま橋
そして歩いて10分ほどもすると、このコースのハイライトとも言うべき吊橋が出てきます。正確な長さは分かりませんが大体40m位です。しっかりした構造であまり揺れません。
すれ違いもできる高尾山4号路の吊橋
4号路の斜面に生えるナガバノスミレサイシン
日当たりの良い斜面にスミレの花が群がって咲いていました。タチツボスミレかと思ったのですが、葉が長い所を見るとナガバノスミレサイシンのようです。まだ咲き始めたばかりで眠たげな感じです。吊橋を過ぎると一転して登りの階段が多くなります。巨木のある小広場を左に登ると「いろはの森分岐」です。ここを左に行くと高尾山頂へ、右に下ると「いろはの森・日影沢キャンプ場」です。ここでは「いろはの森」へ向かいます。土曜日とあって続々と登ってくる人とすれ違います。およそ40分ほどの下りで日影沢キャンプ場に到着しました。ところで「いろはの森」とは何なのでしょうか?
いろはの森 「いろはの森案内図」より
この森には「いろは」48文字をそれぞれ頭文字とする樹木を選んで表示してあります。なかには、昔から愛されている地方名で表したものも有ります。選んだ樹木の大部分は高尾山に自生したものです。きれいな花の咲く木、赤い実のなる木、常緑の木、落葉する木、太い木、細い木などさまざまなものがあります。
いろはの森のテーマは「森の遊び心」です。日影沢キャンプ場から高尾山頂付近までを結ぶこのコースの樹木には「いろは」48文字をそれぞれ頭文字とする樹木名や解説プレートと木にちなんだ和歌の立て札が掲示されています。所々に木製の階段が設けられている傾斜が急なコースです。
途中4号路と交差し更に登ると1号路と合流し高尾山山頂へと到着します。
日影沢キャンプ場管理棟
近くに日影沢が流れる日影沢キャンプ場(日影沢園地)は高尾山の北側に位置し、自然をそのまま満喫できるキャンプ場です。林野庁の関東森林管理局が管理しています。トイレや炊事場、管理棟といった施設を備えていて、事前予約さえすれば一年を通じ無料で利用できます。キャンプに必要なテントや食料などの持参が必要です。高尾山への登山ルート「いろはの森」コースに隣接しているので、ハイキング拠点としての利用に便利です。キャンプ申し込みは関東森林管理局へ。
民家の庭に咲くカタクリ
木下沢梅林に向かう途中、民家の庭先に人が群がっている。何事かと思ったら庭にカタクリが咲いているのであった。ショウジョウバカマのつぼみが開き始めていた。近くのカタクリはカメラを構えた人が何人も群がっているので撮影できない。上の写真はズームで1枚だけ撮ったもの。帰りもまたここを通るので先を急ぐことにした。それにしてもこのあたりには変なものがある。大きな木の上に小屋(ツリーハウス)があるのだ。ここは「裏高尾ツリーハウス」というらしい。それとその近くで家を建築しているのもツリーハウスと関連があるのかもしれない。道路脇にはフサザクラが赤いつぼみを沢山付けている。中央線のガードをくぐり右折する。緩やかな坂になっていて中央線が見下ろせる。やがて前方に中央高速道路の高架が見えてくるとその先が木下沢梅林だ。梅林の道路の向かい側の小高い所で梅林を見下ろしてみる。昨年、同じころに見た時より花の付きが良いようだ。梅林の入口から園内に入ってみる。入口と出口は同じところで1個所だ。係の男性が二人いてその前には募金の箱が置いてある。園内の下の道を端の方まで行って上の方に登る。下からは見えなかったが上の方は平地になっていて多くの人が休憩していた。飲み物や食べ物の売店もあった。ぐるりと一周して出口から外に出た。連れがいくらかを募金の箱に入れていた。
木下沢梅林の売店近くの広場
木下沢梅林は約1,400本もの紅梅白梅の木がある梅の里です。 すぐ近くに中央自動車道の高架が通る小高い土地にある梅園です。 梅が開花する時期には一面に咲き誇る紅白の梅を眺めることができます。 梅の密度は濃く上段・中断・下段の三段になっており充分見ごたえがあります。 木下沢梅林は標高約250mほどで高尾梅郷の中では最も遅く開花します。 例年3月上旬から下旬にかけて開園します。それ以外の日には入ることは出来ません。 いつ頃この木下沢梅林が出来たのかというと、 地元の人の話によると、もともとここは中央高速道の小仏トンネルを掘ったときに出た土砂の集積場だったそうです。 それを地元有志の方々が整備をして梅を植えたということです。 以来40有余年、梅の木は立派に育ち多くの人に親しまれる梅園になりました。
木下沢梅林の上の方の園内風景
木下沢梅林の上の方の通路
高尾山の北麓、旧甲州街道や小仏川沿いの梅林を高尾梅郷といいます。最大規模の梅林は紅白1400本の梅の木がある木下沢梅林です。更に小仏川沿いに湯の花梅林、荒井梅林、天神梅林、関所梅林、遊歩道梅林という小規模な梅林があります。木下沢梅林の園内を一周して外に出る。直ぐ近くの木下沢林道に向かう。山側の斜面にはまだ何も咲いていない。そこで小下沢にハナネコノメが咲いていないか確認のため降りてみる。どうやら対岸の岩に少し咲いているようだ。だが沢を渡らないといけないので濡れそうなのでここまでとする。来た道を戻りバス通りに向かう。蛇足ですが木下沢梅林の西側を流れる沢は小下沢と言います。木下沢梅林の先の林道が東京都森林管理局が管理する「林道木下沢線」です。このあたりの森林は国(関東森林管理局)が管理する小下沢国有林です。例えば「小下沢沿いの木下沢林道を行く」となります。読みが同じですが字が違うのです。統一して欲しいものですね。
�バス通り沿いにある浅川国際マス釣り場
日影バス停から5分ほど歩いたところに浅川国際マス釣り場がありました。このマス釣り場は高尾駅からのバス便があり駐車場もあります。釣れる魚はニジマスの他にヤマメやイワナなどです。ルアーやフライの池と、餌釣りの池があります。
民家の庭に咲く大きなミツマタ
バス通り(旧甲州街道)を歩いていたら民家の庭先に大きなミツマタ(三椏)の花が咲いていました。あまりに見事だったので撮影しました。ミツマタはその名の通り枝が必ず三つに分かれるという特徴があります。ジンチョウゲ科で爽やかな香気があります。またガンピ、コウゾと並んで和紙の原料としても有名です。
小下沢や日影沢が流れ込む小仏川(南浅川)
小仏川沿いの旧甲州街道を西浅川方面へ向かいます。民家の庭先にはトサミズキ(ヒュウガミズキ)やコブシなどが咲き始めています。道路わきの空き地にはツクシ(土筆)やオオイヌノフグリがたくさん咲いています。摺差(するさし)というバス停を過ぎると前方に圏央道の高架が見え蛇滝コースへの道が出てきます。ここを右折した川の手前に高尾梅郷の案内板があります。ここが小仏川遊歩道の入口です。
小仏川のほとりの遊歩道梅林
遊歩道は川沿いを歩いたり、橋を渡ったり、灌木の茂みの中を歩いたり、様々な道を歩きます。その途中にささやかな梅林があるのです。灌木の茂みの中にはアブラチャンやダンコウバイが黄色い小さな花を付けていました。最後の遊歩道梅林は矢張り川沿いに有るので風情があります。ここを少し歩くと国道20号線にでました。右に行くと「高尾山口駅」まで10分です。左に行くと「JR高尾駅」まで15分です。左のJR高尾駅に向かいました。
高尾山駅~日影沢~木下沢梅林~高尾駅のコース断面図
過去の小下沢林道の記録
2017/03/17 高尾・小下沢林道~ザリクボ沢~景信山
2012/04/29 中央線・小下沢林道~景信山~城山~南高尾山稜
2010/03/27 中央線・小下沢林道~景信山~城山~大洞山
2009/04/04 中央線・小下沢林道~景信山~南高尾山稜
コースタイム 歩行3時間30分 距離10.5km 累積の登り557m 下り-860m
高尾山ケーブルカー高尾山駅10:16→いろはの森分岐→11:25日影沢キャンプ場12:00→木下沢梅林(散策)13:00→(木下沢林道散策)→小仏川遊歩道→14:30JR高尾駅。