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東京の山・神奈川の山・関東周辺の山を夫婦で「気ままに山歩き」登山・ハイキング・トレッキングの山行記録です。

あぐりパーク~最明寺史跡公園~ハーブガーデン松田山・あぐりパーク~最明寺史跡公園~ハーブガーデン

松田山・あぐりパーク~最明寺史跡公園~ハーブガーデン 
平成31年(2019)2月27日(水)2名

     

西平畑公園から最明寺史跡公園へ向かう途中からの富士山

あぐりパーク~最明寺史跡公園~西平畑公園・ハーブガーデンのGPS軌跡

小田急線新松田駅およびJR御殿場線松田駅の北口から間近に見える山が松田山である。今は河津桜の季節であり西平畑公園がある山麓はピンク色に彩られている。その北東方向へ1kmほどのピンクや黄色に彩られているのが「あぐりパーク嵯峨山苑」である。ここは最初から行こうと思ったわけではない。たまたまルートを探していて知ったのである。
神奈川県足柄上郡松田町と同郡山北町にまたがる松田山(まつだやま)は丹沢山地最南部の山である。 小田急小田原線新松田駅およびJR御殿場線松田駅の北に位置しており、北西から南東に3kmほどの長い台形状の山であり最高地点の標高は568mである。 この最高地点は今の地理院地図では表示されていない。以前はゴルフ場の西側の池の近くに568mが表示されていた。松田山頂一帯はチェックメイトカントリークラブ(1983年:昭和58年にオープン)のゴルフ場となっている。ゴルフ場内の松田山最高地点から西に350mほどの南斜面には最明寺史跡公園がある。また駅からほど近い南斜面には西平畑公園(自然館、子ども館、ふるさと鉄道、松田山ハーブガーデン)などが設けられている。これらの施設を含む全体を松田山と呼んでいる訳である。

最初は新松田駅から国道246号を通りゴルフ場沿いの車道を歩き、最明寺史跡公園からハーブガーデンへ下ろうと思っていた。しかしゴルフ場へ行く車道は蛇行しており距離が長い。タクシーで行くことも検討した。タクシーだとクラブハウス入口まで2,100円ぐらいなのである。しかしそれだと歩く時間が少なく物足りない。もっとゴルフ場に直登できる山道はないだろうかと調べて見た。すると国土地理院の地形図にはゴルフ場のクラブハウス近くに至るルートが記されている。その途中にはあぐりパーク嵯峨山苑という観光農園があるようである。そこで、あぐりパーク嵯峨山苑のホームページから山道の状況をメールで問い合わせてみた。「そちらへお寄りしてからチェックメートゴルフ場の方へ登りたいのですが登山道(踏み跡でも可)はありますか?」すると返信があり、「その先のチェックメートゴルフ場のクラブハウスまでは道がありますが、20年以上登っていないので現況がどういう状態かわかりかねます。」ということであった。またインターネットでもこのルートを歩いている記録はないか探してみたが皆無であった。地元の人でもわからないのだ、これは現地で判断するしかない、と思った。

新松田駅からのあぐりパーク(前方の山の中腹、ピンク色の部分)

早朝は日差しがあったが段々曇り空になってくる。天気は下り坂なのである。しかし今日を逃したら多分河津桜の時期には行けないだろうと思い行くことにした。新松田駅から松田駅北口そして桜まつり会場までは道案内の提灯が吊り下げられているので分かりやすい。前方の山の中腹にはピンク色に彩られた「あぐりパーク嵯峨山苑」が見える。

東名高速下を抜けた右側にある階段の上部はやぶであった。

東名高速道路の下をくぐり突き当りを右に行くと直ぐに左に登る階段が現れた。古い階段であり人が歩いた形跡も見られない。階段を上り切ると前方の道らしきところは藪に覆われ進めなかった。地形図に載っているがここは長年歩かれず廃道になってしまったのだ。階段を降り松田山ハーブガーデン手前の道を登る。

あぐりパーク嵯峨山苑の河津桜と箱根・明神ヶ岳と金時山(右端)

割と急な舗装道を20分ほど登る。要所にあぐりパーク嵯峨山苑の幟がつけられている。あと2分の表示板が出てきて50mほど登るとあぐりパークであった。入口に受付けがあり入苑料1人¥300円を払う。ここは標高250mほどの南斜面に造られており遮るものがない絶景である。散策路は斜面を利用して造られており河津桜が目の前に見える。足元や斜面には菜の花が植えられている。横に移動するときは良いが、上下に移動する場合はかなり急な坂道となっている。従ってサンダルなどでは滑る恐れがありスニーカーなどのしっかりした靴がよい。


あぐりパーク嵯峨山苑(見えている山は矢倉岳)

あぐりパ-ク嵯峨山苑は2008年(平成20年)2月9日(土)にオープンした観光農園である。ここからの眺望は抜群で西に富士山や箱根連山、南に相模湾や伊豆大島、東には東名大井松田ICと曽我丘陵を見渡せる。苑内の標高差は230~285mで面積は1.2ヘクタ-ル(12,000㎡:3,630坪)とのことである。参考:あぐりパーク嵯峨山苑(内藤園)

あぐりパーク嵯峨山苑

あぐりパーク嵯峨山苑


あぐりパーク嵯峨山苑

あぐりパーク嵯峨山苑

あぐりパーク嵯峨山苑


あぐりパーク嵯峨山苑からの東名高速道路と上方に曽我丘陵

25分ほど苑内を散策して菜花を買って外に出る。周りの状況を見て予定していたルートは廃道になっている可能性が高いと思った。実際のところは歩いてみないと分からない。ただ今回は当初の計画を断念してゴルフ場へは向かわず、今来た道を下ることにした。急な坂なので上ってくる人は皆、難儀そうな顔をしている。登るのが大変だとみえて、二人連れの中年男性の一人が我々に聞いてきた。「登って、見る価値ありますか?」と聞くので、私が「あります」、連れが「素晴らしいです」と答える。標高差100m近く下り、ハーブガーデン手前を右に入る。最明寺史跡公園の標識がありそれに従って歩く。直ぐ上の斜面をミニ列車(ポッポ鉄道)がお客さんを大勢乗せて走っている。乗っているのは子供ではなく、おじいさんやおばあさんなどを含むほとんどが大人なのである。

小さな沢を越えて階段を上ると開けた場所にでた。草むらには菜の花が咲いている。その向こうに雪を頂いた富士山が霞んで見える。天気は下り坂だが時々日差しもある。そして富士山が見えるとは思いもよらなかった。ミカン畑を過ぎ急な坂道を登り獣除けの柵を開け、樹林帯の林道を延々と歩く。ハーブガーデンが標高170m位で最明寺史跡公園が460m位だから、標高差290mほどを登るのだ。あぐりパークから1時間25分ほどかけて最明寺史跡公園にようやく着いた。4月半ばともなれば園内は桃源郷のように百花繚乱となる。しかし今は数本の河津桜が咲く程度で閑散としている。ベンチテーブルに座りコーヒーを入れて飲む。そして手作りのサンドウィッチを食べる。ここは500m近い標高があり日差しも無いので寒い。休憩もそこそこにして池の周りを一周してから公園を出ることにする。なんと池の水はここのところ雨が少ないためか、わずかに残るだけであった。

最明寺史跡公園の木彫りの鳥

木彫りの鳥は鷲のようだがオスがメスに餌を運んで来たのだろう。メスの周りにヒナが3羽いる。まさに「ギョッ!」とするほど生き生きとした木彫りなのである。

最明寺史跡公園

到着したときは1,2組だったが暫くしたらベンチテーブルはすべて埋まった。女性の赤いパーカーが閑散とした公園に映える。

最明寺史跡公園の石碑「最(西)明寺跡の由来」

最明寺跡の由来
伊豆山の別当浄蓮上人源延は、夢のお告げを受け、信州善光寺の一光三尊善光寺如来の尊像を模写して越前の仏師海縄にたのんで金銅の仏像を鋳造して承久三年(1221)松田の郷庶子山に安置し、寺を西明寺といった。
源延は源頼朝の重臣加藤左衛門尉実長斎といい、出家して、天台の澄憲の門に学び、のちに伊豆山の別当となって活躍した。第二位覚阿上人円浄の時に最明寺入道北条時頼は、善光寺如来を深く信仰し、寺領一千五百石を寄進したので、この時寺門は隆盛であったと伝える。
応仁・文明の戦乱のため、最明寺は次第に衰えた。文明年間、鎌倉八正寺宮尊賢親王は、弟子の賢昌を住持として寺の復興を計ったが、山道険しく、人ともに困難であるため、寺を金子の郷に移した。
庶子山西明寺の田地は、庶子村の信徒にまもられ、数百年の間、毎年四月十日の施餓鬼会と善光寺如来の戸ごとの巡行供養が行われてきた。
その後、松田町庶子戸主会、現在の庶子自治会が継承して昭和の今日に至っている。          昭和63年10月吉日(松田町教育委員会)


鎌倉時代の承久3年(1221年)、この地に浄蓮上人(源延)が夢のお告げをうけて金銅の仏像を安置したのが西明寺(最明寺)の始まりという。一時は隆盛を極めた寺であるが度重なる戦乱にあって衰え、現在の大井町金子に移されたとか。東寺真言宗 如意山 最明寺 神奈川県足柄上郡大井町金子3315
小田急線新松田駅より徒歩20分 JR御殿場線相模金子駅より徒歩15分

最明寺史跡公園の河津桜

最明寺史跡公園を出ると直ぐの右側に「松田山入口」バス停に下る道がある。予定を変えたので公園からは「松田山入口」バス停まで下り新松田駅まで歩こうと思っていた。しかし連れが「折角なのでハーブガーデンへも行きたい」というので今来た道を戻ることにした。登りは大変だったが下りは大層楽である。

西平畑公園・ハーブガーデンの河津桜と菜の花

西平畑公園に到着すると大変な賑わいだ。アジア系の外国人も多い。平日なのになんでこんなに多いのか?

西平畑公園・ハーブガーデンの河津桜

ここに比べればあぐりパークの桜は目の前にあった。菜花も手の届く所にあり、何よりも混雑していないのが良かった。テレビなどに紹介されて遠くから来ている人もいる。だからこそ、この賑わいがあるのだろう。我々は混雑する下りを避け、静かなわき道を通り駅に向かった。新松田駅までの途中の店のそちらこちらでも、おばさんたちが吸い込まれて中々賑やかなのである。

あぐりパーク~最明寺史跡公園~西平畑公園・ハーブガーデンのコース断面図

コースタイム 歩行3時間30分 距離11.8km 累積の登り下り±933m
小田急線新松田駅9:12→予定ルート廃道のためコース変更→10:00あぐりパーク嵯峨山苑10:25→11:50最明寺史跡公園12:15→13:33西平畑公園・ハーブガーデン13:56→14:15新松田駅。

過去の松田山ハーブガーデン、最明寺史跡公園の記録
26/04/09 丹沢・高松山~松田山~最明寺史跡公園
25/03/06 湘南・曽我丘陵(上大井~いこいの村~国府津)~松田山ハーブガーデン
23/04/17 丹沢・高松山~最明寺史跡公園
21/02/18 丹沢・高松山~最明寺史跡公園~松田山ハーブガーデン


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